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あなたの知らないMPインクの世界

2020年08月24日

MPインクって知っていますか?
武藤工業(MUTOH)から発売されているインクの一つであるMPインクは、素材を選ばず様々なメディアに印刷できる非常に万能なインクです。
あなたの知らないMPインクの世界をご紹介いたします。

[目次]

1. MPインクの特徴

2.MP、溶剤、UVの3つのインクジェットプリンターで対決してみた

3.真空成型・加飾成型を用いたプリント

4.終わりに

1.MPインクの特徴

それではまず、MPインクについてご説明します。
そもそもMPって何?と思いますよね。
MPインク=Multi Purpose ink(マルチパーパスインク=多目的インク)の略称です。1つの用途だけでなく色々な使い方に応用できて、仕事の幅を広げてくれる将来性を兼ね備えたインクです!
MPインクは塩ビ、PET、合成紙といったロール素材から、スチレンボード、プラダン・段ボールといったボード材など、さまざまな素材への印刷ができます。
熱や伸びにも強いことから、アクリルやペット素材に対する印刷後の真空成型、熱成型加工なども可能です。
またMPインクは溶剤成分を極力抑えながら、塩ビ素材に対しては溶剤インク(ソルベントインク)と遜色のない「耐光性」、「耐摩擦性」、「発色性」を有したインクです。

そんなMPインクの特徴をまとめてみました。

1-1:素材対応力

溶剤インクは、印刷するためには専用のメディアであることが必須です。
しかし、MPインクなら専用メディアが不要!様々なものに印刷できます。

実際に印刷されたものを見ていきましょう。
こちらは牛乳パックに用いられる、水をはじく耐水性のある合成紙に直接印刷しています。

牛乳パックへの印刷

MPインクでは和紙や蒸着紙といった素材の風合いが重要視されるものにも素材や質感を残したまま印刷することができます!

プレゼン用の試作、パッケージのサンプル作成、少数の化粧箱製作にもぴったりです。

  • パッケージへの印刷

  • 扇子への印刷

素材対応力を活かして、合成皮革にも直接印刷することが出来ます。
※厚さや長さがあるメディアに印刷する場合はオプションが必要です。

  • 皮革への印刷1

  • 皮革への印刷2

近くで見てもこの仕上がり!しっかりとした発色で、革の質感は生きたままですね。これが直接印刷されているなんて驚きを隠せません!

質感を活かした印刷

1-2:加工耐性

折り曲げに強く印刷面を加工したときに割れが起きにくく、UVインクでは想像できないくらい伸ばしてもインクが割れません!
どれくらいインクが伸びるか想像してみてください!

いきますよ……?

ドンっ!

長靴への印刷

一体なんだこれ?と思いましたよね?実はこれもMPインクで印刷した長靴なのですが、もともと一枚のゴムに印刷し、加工したものです。
つまり、溶剤では印刷できないような素材に印刷でき、UVでは割れてしまうような曲面にも対応できているということです。

折り曲げられる、やわらかい素材にMPインクの伸びを活かした印刷はまだまだ応用が利く感じがしますね!

1-3:印刷の仕上がり

UVインクによくある「粒状感」は、MPインクにはほぼ見られせん。また硬化するUVインクと違い凹凸がなく、なめらかな仕上がりなのでラミネート加工のときに気泡が入りにくく、ロスを減らすことができます。細い線や小文字のシャープさと色表現の滑らかなグラデーションは溶剤インクと遜色ありません。

印刷の仕上がり

ステッカーやラベル、シールはもちろんシュリンクなどの軟包装のデザインサンプルにも最適です。

軟包装への印刷

こちらのアクリル板の発色性どうですか?
すごく鮮やかにグラデーションになっていますね。

アクリル板への印刷

また、直接アクリルに印刷したあとにレーザー加工機でカットしていますが、UVでプリントしてカットした時と違い、カット面のインク割れが起きません!
MPインクの素材を活かす力でアクリルのツヤ感も残ったままです。

  • アクリル板への印刷

  • アクリル板への印刷2

2. MP、溶剤、UVの3つのインクジェットプリンターで対決してみた

続いてMPインクの性能を確かめるためにMP、溶剤、UVのプリントシステムで4本勝負を行いました! 
※プリンターは武藤工業のMPとUVを使用し、溶剤プリンターは某メーカーのものを使用しました。

2-1:再現度対決

第1ラウンドは再現度対決です!
プリンターの命といってもいいのはやはりデータの再現度でしょう。
こちらの画像データを使って比較していきます。

再現度対決画像データ

写真を見比べてみましょう。
まず、MPインクから見ていきます。
唇の赤色に注目していただきたいのですが、発色性が非常に高いです。
目元のグラデーションの鮮やかさもMPインクの色表現力の高さが伺えます。

再現度対決MPインク

次に溶剤インクです。
色の表現力やグラデーションの性能はやはり高いです。
ですが、MPインクも同レベルの性能を持っていることがわかります。
黒色などの濃色はMPインクの方が濃く鮮やかです。

再現度対決溶剤インク

最後にUVインクです。
近くに寄って見てみると、どうしてもUVインクの粒状感が目立ち、細かい表現はMPインクと溶剤インクに負けてしまいます。

再現度対決UVインク

この対決に順位をつけるなら同率1位でMPインク、溶剤インク、3位がUVインクといったところでしょうか。この勝負どうしてもUVインクの粒状感というものが勝敗を分けましたね。

では、次に行ってみましょう!

2-2:白インクの濃度対決

第2ラウンドは白インクの濃度対決です!
先ほどと同じものを使用して比較していきたいと思います。
透明なフィルムに文字を透かして見ていこうと思います。

白インク濃度対決

UVインクから見ていきます。全くと言っていいほど下に置いたチラシの文字が透けていません。
白インクの隠ぺい性が非常に高いということですね。

白インク濃度対決UV

次に溶剤インクを見てみましょう。
チラシの文字が透けて見えるようになりました。白インクの濃度ではやはりUVインクに負けてしまいますね。

白インク濃度対決溶剤

最後にMPインクです。
若干透けて見えますが溶剤インクよりも隠蔽性の高さがうかがえます。

白インク濃度対決溶剤MP

白の濃度対決は1位UVインク、2位MPインク、3位溶剤インクという結果です!
並べて比較してみると溶剤インクの透過具合が分かりやすいですね。

透過具合の比較

2-3:伸縮性対決

第3ラウンドは伸縮性対決です!
ここではカーラップ用の塩ビメディアに印刷したものを引っ張ってインクの割れを確かめていきたいと思います。

伸縮性対決

まずはUVインクで印刷したものをひっぱってみます。
Pの文字に割れが起きているのがわかりますでしょうか?

伸縮性対決UV

他の場所もひっぱってみると、やはりインク割れが発生してしまいました。

  • 伸縮性対決UV2

  • 伸縮性対決UV3

次にMPインク(左)と溶剤インク(右)を伸ばしてみます。
どちらもメディアを限界までひっぱってみましたが、インク割れは見られませんでした!

  • 伸縮性対決MP

  • 伸縮性対決溶剤

それでは順位を付けていきます。1位MPインク、溶剤インク。そして3位UVインク。

インクの伸縮性はMPインクも溶剤インクも変わりませんでしたね。
UVインクはメディアを伸ばしたときに、インクが硬化してしまうという特徴からどうしてもヒビ割れてしまうのがネックですね。

2-4:素材対応力

最後に第4ラウンド!素材対応力対決です!
こちらも同じ素材に印刷したのですが、今までと異なる点として、インクジェット専用ではないメディアにそれぞれ印刷しました。もうすでに差が明らかなのですが、近くによって見ていきたいと思います。

素材対応力対決

まずはMPインクから。

  • 素材対応力対決MP

  • 素材対応力対決MP2

素材対応力が十分に発揮され、全く問題なく印刷できています。
合成紙の光沢感も残し、発色性の高い仕上がりです。
素材を選ばないので普通紙へのポスター印刷なども可能ですね。メディアのコストが抑えられます!

次にUVインクを見ていきましょう。

  • 素材対応力対決UV

  • 素材対応力対決UV2

さすがの素材対応力といったところですね。こちらも問題なく印刷できています。
しかし硬化インクのため紙の光沢を失ったマットな仕上がりに。ざらっとした印象です。

最後に溶剤インクです。

  • 素材対応力対決溶剤

  • 素材対応力対決溶剤2

冒頭でも述べたように溶剤インクは専用メディアが必要なのでインクが滲んでしまいました。MPインクとの大きな違いを見ることができましたね。

この勝負1位はMPインクとUVインク、3位に溶剤インクという結果です。
ここではMPインクとUVインクの素材対応力が存分に発揮されたことがわかりました。
MPインクはメディアの素材感を保ったまま粒状感なく様々なものに印刷できるということが明らかになりましたね。

それではこれまでの対決の結果を振り返ると……

  MPインク UVインク 溶剤インク
再現度 1位 3位 1位
白インクの濃度 2位 1位 3位
伸縮性 1位 3位 1位
素材対応力 1位 1位 3位

UVインクと溶剤インクの特性をかけ合わせたようなMPインクが総合優勝という形でした。恐るべしMPインク……。

3. 真空成型・加飾成型への加工

ここからはMPインクの応用編です。
MPインクの素材対応力と伸縮性を掛け合わせた真空成型・加飾成型での加工を少しだけご紹介いたします。

溶剤インクでは印刷できないような特殊な耐熱メディアに対し、UVでは対応できないような曲面にメディアを伸ばすことによってさまざまなものに加工することができます。

  • ドリンクへの印刷

  • パッケージへの印刷

たとえば自動販売機のサンプルや、パッケージ、トレイ、モックアップなど様々なプラスチックの加工に利用されています。
今後は真空・加飾成型でもMPインクは活用されていくと思います!

4. 終わりに

いかがでしたでしょうか?
MPインクの良さが伝わったら幸いです。
どんな素材にも印刷可能、再現度の高さ、白インクの濃さ、伸縮性。
この4点がMPインクのキーワードです!
印刷するメディアを選ばないということが、これらの優れた特徴を活かすことに繋がっているのだと感じました。マルチパーパス(多目的)インクは伊達じゃないですね!

また、真空成型・加飾成型などに応用することで印刷の新たな世界が広がります。
MPインクにしかできないことをこれからも探求していきたいと思います。