以前、「激録 インク密着24時!!」で武藤工業(MUTOH)社製のUVプリンター「XPJシリーズのインクの噂を記事にしましたが、先日、同シリーズに関する新しいウワサをまたまた耳にしました。
「武藤工業(MUTOH)社製の新UVインクがアクリルとの相性が良すぎる…?」
前回も記述しましたが、 UVインクのアクリルへの密着度は、高ければ高いほど擦れに強く、レーザー加工機などでカットした際にも断面からのインク割れが起きにくくなります。
では、今回の検証を行う前に前回の振り返りをしてみましょう。
前回のUVインク 検証の振り返り
このうわさの発端は、「激録 インク密着24時!」です。
前回は、MUTOHのUVインクには「プライマー」がないのにもかかわらず、無加工のアクリルへプリントしても、インクが剥がれないって本当…⁉という疑問からアクリルへの密着検証を行いました。
※プライマー:UVインクの密着を向上させる前処理インク密着24時での検証結果
検証の結果、MUTOHのUVインクはプライマーなしでも密着が良く、カットしてもヒビが入りにくいことが判明しました!
※アクリルはアクリライト(加工なし)を使用
そして今回「武藤工業(MUTOH)社製のUVインクのウワサ」第2弾では、UVインクとレーザーカッターはどれほど相性がいいのか(密着度の高さ)、噂を検証していきたいと思います!
レーザーカットとテープで検証
検証1
3社でプリントしたアクリルをCMYKベタ100%にそれぞれレーザーカットをしていく。
・正方形(1辺20㎜)にカット(ただし四隅を1㎜程度残し、アクリルから外れないように固定する)
・レーザー出力 約25w、カット速度10㎜/秒にてカット(印字面を上にする)
検証2
手順1で使用したアクリルの上に、セロハンテープを貼ったあと、テープを規定の角度ではがし、はがれた格子の碁盤目の状態から、密着程度とインクの割れを確認する。(クロスカットテスト)
・JIS K5600 で1mm幅のスリットを碁盤目が5x5となるようにする。テープはニチバンのCT-24 24mm幅で実施
・Normal…IPA(イソプロピルアルコール。工業用の洗浄剤や希釈剤として使われることが多い)で印字表面を拭いた状態で印刷
UVプリンター印刷条件
以下の印刷条件で検証していきたいと思います。
※アクリルはアクリライト(加工なし)を使用検証結果
競合A社・B社のUVインク結果
競合A社、B社それぞれのUVインクでアクリルに印字し比較します。
競合2社のインクは、どちらも規格のカットとテープでペリペリと剝がれてしまっています。
武藤工業(MUTOH)の2種類のUVインク結果
次に、武藤工業の2種類のUVインクでアクリルに印字し比較します。
Mutoh UH21インクはBK、WHが若干剥がれてしまっています。レーザーとの相性(密着度)は70%くらいでしょうか。
そして、なんとMutoh US61インクは全く剥がれていません!レーザーの切れ目にも相性ばっちりです◎
最終的な結果
検証の結果、アクリルに対して、MutohのUS61インクが最もアクリルとの相性が良い(密着度が高い)ということが分かりました。
今回も、噂は本当みたいですね。
インクの密着度が高いことで、安価な非UV印刷用アクリル板に印刷が可能となり、コストを抑えることができます。また、簡単にインクが剥がれないので商品価値の向上にもつながります。
まとめ
最終的な結果として、MUTOHのUS61インクが最もアクリルとの相性が良く、アクリル素材への密着度が高い」ということが実証されました。
GTXproはTシャツやズボンはもちろん、靴や帽子用のプラテンがオプション品にあります。そのため1台あるだけでウェアプリントの幅がグッと広がります。また、最近話題のDTFプリントにも対応しているのでDTF資材を用意すれば、前処理加工をせずとも細かい位置にプリントが可能になります。
US61インクは今回検証を行ったアクリル以外にも幅広い素材に対応可能な最新インクで、XpertJet 1462UFにのみ搭載されています。