“印刷で動きを作る”という発想
UVプリンターは、平面だけを印刷する機械ではありません。
厚み・質感・立体感など、“見て触って伝わる表現”を実現できるのが特徴です。
その可能性をさらに広げるのが、角度によって見え方が変わる「動く印刷」の技術。
一見難しそうに思えるこの表現も、UVプリンターの厚盛り機能を活かせば実現可能です。
「UVプリンターで、こんなことまでできるの?」そんな驚きをグッズ制作にプラスできます。
厚盛り技術が生み出す“動き”と“立体感”
MUTOHのUVプリンターには、LDC(ローカルディミング制御技術)という独自の厚盛り技術が搭載されています。
UV LEDランプの照射を細かく制御し、1回の印刷でカラー・ホワイト・クリア(グロス/マット)を同時に表現。
これにより、印刷面に細かな段差や層をつくることができ、まるで“印刷物が動いて見える”ようなレンチキュラー表現や素材に新たな質感を与えるようなテクスチャー表現が可能になります。
「LDC(ローカルディミング制御技術)による厚盛印刷」

「レンチキュラー印刷」で”動くデザイン”を演出
UVプリンターで層を重ねて印刷することで、角度を変えると絵柄が切り替わる「動き」を再現します。
表現パターンは2種類
| 種類 | 例 | 活用イメージ |
|---|---|---|
| チェンジング | 2枚の画像が角度で切り替わる | ブランドロゴ・POP、ノベルティなど |
| アニメーション | 4枚の画像が動いて見える | キャラクターグッズ、アート作品など |
白+カラー+クリアインクを重ねることで、見る角度に応じて色や形が変化します。
「動くロゴ」や「変化するデザイン」など、印刷の概念を超えた新表現が可能です。
印刷データはユーザーサイト「MUTOH Club」で配布しているテンプレートを使用することで簡単に作成できます。

「テクスチャー印刷」で“触れるデザイン”を演出
もう一つの魅力的な表現がテクスチャー印刷。
バーニッシュ(クリア)インクでグロスとマットの質感を表現でき、視覚と触覚の両方で印象を与えるデザインを作り出せます。
- ロゴ部分だけをグロス仕上げにして立体的に見せる
- 背景をマットにして質感のコントラストを演出
- レザー調・木目調などの素材感をリアルに再現
“動き”を見せるレンチキュラーに対し、“質感”で魅せるのがテクスチャー印刷。
どちらもUVプリンターの厚盛り技術が生み出す表現です。

レンチキュラーの作り方
「動く印刷をやってみたいけれど、難しそう…」そんな方もご安心ください。MUTOHの純正RIPソフト「VerteLith」とテンプレートを使えば、誰でも簡単にレンチキュラーを制作できます。
データ作成
1.MUTOH Clubにアクセスし、「VerteLith情報」→「各種アプリケーション&マニュアル」から「レンチキュラー印刷VerteLith印刷環境」をダウンロード。

2.ダウンロードしたテンプレートから[2images](チェンジング)または[4images](アニメーション)を選択。

3.Photoshopでテンプレートを開き、[A][B]レイヤーに好きな画像を配置。

4.PhotoshopデータをIllustratorテンプレートに展開し、印刷サイズに合わせてトリミング。完成データをPDF形式で保存します。

印刷手順
1.VerteLithを開き、「印刷環境の追加」から、ダウンロードしたレンチキュラー用の印刷環境をインポート。

2.プロファイルなどの設定は埋め込み済み。メディアの位置合わせのみ行い印刷準備完了。

3.白+カラー+クリアを重ねることで、角度で色やデザインが変化するレンチキュラー表現を再現します。

専用レンズや特殊資材は不要。
既存のUVプリンターで、オンデマンドに“動きのあるグッズ”を作れます。
UVプリンターで作る“動く&触れるグッズ”の魅力
UVプリンターを使ったレンチキュラー表現&テクスチャー表現には、ビジネス的にも多くのメリットがあります。
オンデマンド対応が可能
在庫を抱える必要がなく、1点から受注制作が可能。
イベントグッズやノベルティ、パーソナライズ商品にも対応できます。
部分的な表現ができる
全面ではなく、ロゴやキャラクターの一部だけを“動かす”・”立体感を出す”など表現可能。
デザインのアクセントやブランド演出に最適です。
高付加価値で差別化
UVプリンターの既存設備を活用しながら、「立体×動き×質感」のあるワンランク上のオリジナルグッズ提案が可能になります。
特殊表現を可能にするMUTOHのUVプリンター

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XPJ-661UF
リアル2.5D厚盛り印刷対応
印刷エリア:483×594mm(+10mm)
自動テーブル昇降(最大150mm)/バキュームテーブル標準装備
円柱状のオブジェクトへの印刷が可能なロータリーユニット(オプション)
レンチキュラー印刷は、UH21インクのみ対応可能です。
まとめ:UVプリンターが広げる、新しい表現の世界
平面の印刷だけでは伝わらない“立体感”“動き”“質感”。
それらを組み合わせることで、印刷が「見せる」から「魅せる」へ進化します。
レンチキュラー印刷は”動く表現”、テクスチャー印刷は”質感の表現”。
どちらもUVプリンターが持つ厚盛り技術の応用であり、アイデア次第でグッズやサイン、アート作品など多彩な可能性を広げます。
「印刷でここまでできるのか」その発見が、新しいビジネスのきっかけになるはずです。
ユーロポートでは、実機を使用したデモンストレーションも可能です。
UVプリンターの導入をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。




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