成長し続けているオリジナルグッズ市場。
そのオリジナルグッズやノベルティの作製に欠かせない機械として注目を浴びているのが『UVインクジェットプリンター』です。
市場の成長に伴いUVプリンターの新規購入や増設の需要が高まり、それに応じてUVプリンターのラインアップも増加しています。
コンパクトなものから生産向けの機種までさまざまなUVプリンターが各社から販売されているので、「やりたいことに合う機械がどれか分からない」という方も少なくありません。
今回はA3サイズ以上のUVプリンターを中心に、比較表を交えながら各機種の違いをご説明します。
UVプリンターの種類
自分に合ったUVインクジェットプリンターはどのように選んだらいいのでしょうか?
まずはUVプリンターで『作りたいもの』から考えていきます。
UVプリンターは、ロール式とフラットベッド型の2種類に分かれています。
ロール式とフラットベット型で作れるものに大きく差があります。
ロール式UVプリンター
ロール式UVプリンターは、『溶剤プリンター』とも並び、看板などのサイン産業で活用されています。
主に屋内外の広告用途として、ポスターや看板、ウィンドウフィルムの製造、印刷に用いられます。
フラットベット型UVプリンター
オリジナルグッズやノベルティの作製にはフラットベット型UVプリンターが欠かせません。
金属やアクリルといった折り曲げられないメディアへの印刷に最適で、オリジナルグッズだけではなく、企業のノベルティやキャラクターなど版権グッズの印刷にも広く用いられています。
店頭や家庭における卓上サイズから、成果物を一度に多く生産できるものまでサイズ展開が豊富です。
今回はいわゆる“業務用”と呼ばれる、印刷可能な範囲がA3サイズ以上のフラットベット型UVインクジェットプリンターについてご紹介します。
フラットベット型UVプリンターの比較
今回は、ローランドDG、Mimaki、武藤工業の国内3メーカーの機種を比較します。
UVプリンターを選ぶ際に確認していただきたいポイントを交えながらご紹介します。
比較数値はあくまで理論値になりますので、実際の数値とは異なる場合がございます。
A3サイズのUVプリンターの比較
まずは印刷サイズがA3のUVプリンターをご紹介します。
A3サイズというと、一般的なアクリル板を1枚(A4サイズのアクリル板であれば2枚)をそのままセットすることができます。
機種や形状によっても異なりますが、一般的なスマートフォンケースであれば、おおよそ6つ並べることができます。
機種名 | MO-180 (ローランドDG) ![]() |
UJF-3042MkⅡe (Mimaki) ![]() |
XPJ-461UF (武藤工業) ![]() |
---|---|---|---|
印刷サイズ | A3サイズ (幅458mm×奥行305mm) |
A3サイズ (幅300mm×奥行420mm) |
A3サイズ (幅483mm×奥行329mm) |
本体代(税別) | 2,980,000円(税別) | 2,703,000円(税別) | 2,130,000円(税別) |
インクランニングコスト (カラー)(税別) |
EUV5P:18円/ml~ | LH-100:22円/ml~ LUS-120:22円/ml~ |
UH21インク:46.8円/ml~ US11インク:46.8円/ml~ |
印刷スピード (カラー、標準モード) |
1.68m²/h(720x900/10パス) | 1.22m²/h(720×1200/ 16 パス) | 1.88m²/h(720×1440/8パス) |
搭載インク | 軟質インク・プライマーインク EUV5P(C,M,Y,K,W,Gl,Or,Rd,Pr) |
硬質インク:LH-100(C,M,Y,K,W,Cl) 軟質インク:LUS-120(C,M,Y,K,W,Cl) プライマーインク:PR-200 |
硬質インク:UH21インク(C,M,Y,K,W,Vr) 軟質インク:US11インク(C,M,Y,K,W,Vr) |
-
本体代
導入費用を一番抑えることができるのは『XPJ-461UF』です。
ただし、リースや補助金などを活用すれば、他の機種でもイニシャルコストを抑えることができます。
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インクコスト
一見『XPJ-461UF』のインクコストが飛びぬけて高く見えますが、XPJ-461UFは素材への密着度の高いインクを採用していますので、プライマーインクが不要です。
印刷に必要なインクの総コストを加味すると、とても大きな差はありません。
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印刷速度
各機種の印刷モードから解像度とパス数が近いものを並べました。
『MO-180』は上位機種と同じプリントヘッドを搭載しており、印刷速度も高いです。
求める印刷の仕上がりに応じて印刷速度も変わりますので、作りたいものを基準に選ぶのがおすすめです。
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搭載インク
インクの種類を軟質インクと硬質インクから選べるのは『UJF-3042MkⅡe』と『 XPJ-461UF』です。
『MO-180』は軟質インクのみですが、プライマーインクを使用することで高い密着度を実現します。
A2サイズのUVプリンター比較
A2サイズのUVプリンターは、『生産機』の位置付けです。
ヘッドの数や搭載可能なインク色が増えるので、印刷速度や再現性も高くなります。
今回は比較のため『高品質モード』での数値を記載しています。
機種名 | MO-240 (ローランドDG) ![]() |
UJF-6042MkⅡe (Mimaki) ![]() |
XPJ-661UF (武藤工業) ![]() |
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印刷サイズ | A2サイズ (幅610mm×奥行458mm) |
A2サイズ (幅610mm×奥行420mm) |
A2サイズ (幅483mm x 奥行594mm) |
本体代(税別) | 4,300,000円(税別) | 4,650,000円(税別) | 3,600,000円(税別) |
ランニングコスト (カラー)(税別) |
EUV5P:18円/ml~ | LH-100:22円/ml~ LUS-120:22円/ml~ |
UH21インク:46.8円/ml US11インク:46.8円/ml~ |
印刷スピード (カラー、標準モード) |
2.07m²/h(720×900/12パス) | 1.74m²/h(600×1,200/16パス) | 1.88m²/h(720×1,440/8パス) |
搭載インク | 軟質インク:EUV5P(C,M,Y,K,W,Gl,Or,Rd,Pr) | 硬質インク:LH-100(C,M,Y,K,Lc,Lm,W,Cl) 軟質インク:LUS-120(C,M,Y,K,Lc,Lm,W,Cl) プライマーインク:PR-200 |
硬質インク:UH21インク(C,M,Y,K,W,Vr) 軟質インク:US11インク(C,M,Y,K,W,Vr) |
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本体代
A2サイズのプリンターでも、本体代が最も安価なのは「XPJ-661UF」です。
しかし、導入支援制度の利用や、オプション品の有無で導入費用は変わります。
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インクコスト
A3サイズのUVプリンターと大きくは変わりませんが、大容量ボトルになるほど1mlあたりのインクコストを抑えることができます。
インクは印刷時だけではなくクリーニング時にも消費します。
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印刷スピード
今回は各社の『高品質モード』時の印刷速度で比較しました。
一口に『高品質モード』と言っても解像度がそれぞれで異なりますので、一律での比較は難しいです。
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搭載インク
『UJF-6042MkⅡe』では、搭載可能なインクが増え、ライトシアン(Lc)とライトマゼンタ(Lm)の2色を搭載できます。
この2色があることで、肌の色やグレーなどの中間色の再現性が高くなります。
まとめ
今回は国内3メーカーのフラットベット型UVプリンターを印刷サイズ別にご紹介しました。
『作りたいもの』の大きさや量だけではなく、求める仕上がりによっても機種の選び方が変わってきます。
ユーロポートでは、サンプル作製やデモンストレーションも無料で承っております。
実際の仕上がりや機械の動く様子を、目で見て体験していただけます。
もちろん、今回記事内でご紹介した各機種のお見積もりも可能です。
UVプリンターの導入をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください!
今回ご紹介した機械
