レーザー加工機界に彗星のごとく現れ、瞬く間に多くのユーザーに浸透していった「xTool」シリーズ。
今回は「xTool」の特別認定販売代理店であるユーロポート株式会社が、メーカーよりもわかりやすく!をテーマに各機種の特長をご紹介します。
一目瞭然!比較表
今回ご紹介する3機種の特長を表にまとめました。取り急ぎ結論だけ知りたい!という方はこちらの表をご覧ください。
- ①xTool M1
- ②xTool F1
- ③xTool P2
弊社での取り扱いはありませんが、上記に加え「xTool D1pro」と「xTool S1」の計5機種が販売されています。(2024年4月時点)
xTool M1 | xTool F1 | xTool P2 | |
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外観 | |||
機械サイズ | 557(W)×453(D)×230(H)mm | 179(W)×235(D)×334(H)mm | 1,000(W)×639(D)×268(H)mm |
加工可能範囲 | レーザー:385(W)×300(D)×16(H)mm ブレード:365(W)×300(D)×16(H)mm |
115×115mm ※ライドエクステンション使用時: 400×115mmまでに拡張可能 |
ClassⅠモデル:600×305×64mm ClassⅣモデル:600×305×71mm |
機械のタイプ | XYレーザー | ガルバノレーザー | XYレーザー |
レーザー光線の種類 | ダイオードレーザー | ダイオードレーザー 赤外線レーザー |
CO2レーザー |
レーザーの出力(パワー) | 10W | ダイオードレーザー:10W 赤外線レーザー:2W |
55W |
位置合わせ | カメラ内臓 | ガイドに沿って位置合わせ | カメラ内臓 |
木材への彫刻 | ◎ |
◎ |
〇 |
透明アクリルの加工 | × | × | ◎ |
金属の加工(彫刻) | 〇 | ◎ | × |
円筒状の素材への加工 | 〇 ※オプション必須 |
〇 ※オプション必須 |
〇 ※オプション必須 |
厚みのある素材への加工 | 〇 ・通常時:16mmまで ・オプション使用時:120mmまで |
〇 ・底板取り外し時 |
〇※ClassⅣの場合 ・通常時:71mmまで ・オプション使用時:210mmまで |
xToolシリーズに限らず、レーザー加工機では鏡や鏡面のものなどレーザー光線を反射してしまうものや、
PVC素材など熱を加えた際に有毒な物質がでてしまう素材への加工はできません。
xToolシリーズのラインナップと特長
まずは各機種の特長を、レーザー加工機を選ぶ際のポイントに沿ってご紹介します。
xTOOL M1
「xTool M1」はレーザー彫刻+レーザーカット+カッティングブレード(刃)の3つの機能が1台に備わったマルチな機械です。
安全基準は最高のFDA ClassⅠを取得。教育現場等でのご活用も多い機種です。
- ここがすごい:レーザーでは加工できないポリ塩化ビニル(塩ビ、PVC)や、焦げや臭いの出やすい素材に対してはブレード(刃)でアプローチできます。
- レーザー光線の種類:ダイオードレーザー(半導体レーザー)
- 出力:10W
- 位置合わせ:カメラが内臓しているので簡単に位置合わせできます。
加工できる素材/できない素材
加工できるもの | 木材・色付きアクリル(半透明でないもの)・皮革・コルク・石(※彫刻)・ラバー・紙・PVC |
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加工できるがテストが必要なもの | 金属(ステンレスなど)(※彫刻) |
加工できないもの | 透明や半透明のアクリル・ガラス・金属や石のカット(切断) |
xTool M1に対応するオプション品
詳しくはこちら
名称 | 用途 |
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回転台(RA2Pro) | ボトルなど円筒形の素材はもちろん、球形やリングなどの形状にも対応。名入れや柄入れにおすすめです。 |
エアアシスト | 木材や皮革の加工時に焦げを抑えることができます。 加工時に出る塵や付着しているほこりをエアアシストが除去します。 |
ハニカムボード付きライザーベース | 高さ120㎜までの素材に加工ができるようになります。 ハニカムボードが放熱し、加工時の焦げを抑えます。 回転台(RA2Pro)との併用でさらに活躍します。 |
集塵機 | 室内での安全なレーザー加工の必需品です。活性炭フィルターを採用しており、不快なにおいを低減します。 |
xTool F1
「xTool F1」は、彫刻に特化したレーザー加工機です。
片手で持てるほどコンパクトなのでイベント会場等への移動も簡単。
オーダーメイドビジネスや、オンデマンド印刷等でも活躍します。
- ここがすごい:とにかく彫刻が速く、細かな表現が可能な機械です。
豆知識ですが、「xTool F1」の由来は「fast(速い)」の頭文字「F」から来ています。
ダイオードレーザーと赤外線レーザーの2種類のレーザー光線を使い分けできるので、レーザー加工が可能な素材は同じダイオードレーザーであるxTool M1よりも多いです。 - レーザー光線の種類:ダイオードレーザー(半導体レーザー)/赤外線(IRレーザー)
- 出力:ダイオードレーザー10W・赤外線レーザー2W
- レーザー光線の種類:CO2レーザー
- 位置合わせ:カメラは内臓していませんが、加工範囲をプレビューで確認できます。
加工できる素材/できない素材
加工できるもの | 木材・色付きアクリル(半透明でないもの)・皮革・コルク・石※彫刻・ラバー・紙・金属(※彫刻) |
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加工できるがテストが必要なもの | 分厚いものをカット(切断)する際は、機械の構造上切り口が斜めになります。 |
加工できないもの | 透明や半透明のアクリル・ガラス・PVC・金属や石のカット(切断) |
xTool F1に対応するオプション品
詳しくはこちら
名称 | 用途 |
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回転台 | ボトルなど円筒形の素材はもちろん、球形やリングなどの形状にも対応。名入れや柄入れにおすすめです。 xTool M1/F1/P2共通でお使いいただけます。 |
スライドエクステンション | 複数の素材を素早く加工したいときにおすすめです。 xTool F1のバッジ機能を活用することができます。 |
集塵機 | コンパクトな卓上サイズの集塵機なので設置場所にも困りません。 家庭はもちろん、ショップやアトリエで安心して作業ができます。 |
xTOOL P2
「xTool P2」は、カット(切断)を得意とする機械です。
安全基準が最も高いClass1と、様々なオプションに対応しているClass4の2種類のモデルがございます。
教育機関や施設でのご利用から、DIYユーザー、ビジネスエントリーまで幅広い層に人気の機種です。
- ここがすごい:オプションとの組み合わせで加工範囲が大きく広がります。
- コンベアレールとの組み合わせで最長3mまでの素材を加工可能。ライザーベースとの組み合わせで最大21cmの厚みの物へ加工できます。
- レーザー光線の種類:CO2レーザー
- 出力:55W
- 位置合わせ:近距離と遠距離それぞれに特化した2種類のカメラが内蔵しています。細やかなデータ配置や、複数データの配置も簡単です。
- レーザー光線の種類:CO2レーザー
加工できる素材/できない素材
加工できるもの | 透明や半透明のアクリル・ガラス・木材・色付きアクリル(半透明でないもの)・皮革・コルク・石※彫刻・ラバー・ |
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加工できるがテストが必要なもの | 紙 |
加工できないもの | 金属(ステンレスなど)・PVC |
xTool P2に対応するオプション品
詳しくはこちら
名称 | 用途 | 対応モデル |
---|---|---|
回転台 | 1台で4役の回転台です。ボトルやタンブラーなど円筒形の素材や、マグカップ、球形やリングなどの形状に対応しています。 デザインや提案の幅を広げます。 |
ClassⅠ・ClassⅣ |
エアアシスト | レーザー加工時に出る塵をエアアシストが除去することで、焦げ付きを抑えます。 より滑らかできれいな断面を叶えます。 |
ClassⅠ・ClassⅣ |
ハニカムボード | ハニカムボードが加工時の熱を逃がすので、加工品質が上がります。 | ClassⅠ・ClassⅣ |
ライザーベース | 最大215㎜までの素材をセットできるようになります。 コンベアフィーダーのご利用時にはライザーベースが必要です。 |
ClassⅣ |
コンベアフィーダー | 最長3mの素材への加工ができます。看板やボード等の作製におすすめです。 コンベアレールで長さを拡張することができます。 |
ClassⅣ |
コンベアレール | コンベアフィーダーの加工範囲を拡張する際に使用します。 ライザーベース・コンベアフィーダー・コンベアレールをセットでお求めください。 |
ClassⅣ |
集塵機 | 加工時の粉塵やにおいを抑えます。カット加工の多いCO2レーザー加工機ではほぼ必須となります。 |
ClassⅠ・ClassⅣ |
xToolシリーズ購入時のポイント
- 集塵機の併用がおすすめです
- レーザー加工機では、彫刻やカットをした際にどうしても塵やにおいが出てしまいます。
こまめな換気も必要ですが、塵や焦げによるヤニが機械の寿命を縮める原因にもなってしまいます。
より快適な作業や、機械を長くお使いいただくためには集塵機の導入が不可欠です。 - 安心保守サービスへの加入をおすすめしています
- もしもの時のサポートサービスを定額制でご提供しています。
国内で対応しますので、万が一の時に素早く解決いたします。
故障時の修理費のお値引きや使い方動画の閲覧等お得も満載。詳細は各機種のページからご確認ください。
よくある質問
Q. 「xTool M1」「xTool F1」で透明アクリルやガラスへ加工できないのはなぜですか?
-
A.ダイオードレーザーだからです。
ダイオードレーザーは、レーザー光線が透明な素材をすり抜けてしまうのでアクリルやガラスへの加工ができません。
マスキングテープを貼ったり、専用の塗料を塗る方法もありますが、完成度があまり高くないのでおすすめしません。
-
Q. xToolシリーズで透明アクリルの加工ができる機械はどれですか
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A. 「xTool P2」のみです。ユーロポートでは、xToolシリーズ以外のレーザー加工機も複数お取り扱いしております。
アクリル加工に特化した機種もございますので、機械選びに悩まれましたらお気軽にお問い合わせください。
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Q. 「XYレーザー」「ガルバノレーザー」の違いは何ですか?
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A. レーザー光線の出し方や加工スピードに違いがあります。
「XYレーザー」はいわゆるフラットベット(平型)のレーザー加工機に多く採用されています。
アクリルやの木材等厚みのある材料のカットを得意としています。
一方「ガルバノレーザー」はレーザー光線をミラーで反射させています。高速での加工が得意です。
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まとめ
ユーロポート株式会社は、Makeblock社「xTool」シリーズの特別認定販売代理店です。
教育機関や公的機関の方などに向けて正規代理店証明書の提出も可能です。お気軽にご相談ください。
是非ご自身の用途や利用シーン、加工したい素材に合わせて機械をお選びください。
ユーロポート株式会社では、今回ご紹介した機械を実際に見ていただくことができます。
「この素材は加工できるのかな?」「木材への彫刻がメインだけど、精度を細かく見てみたい」という方など、お気軽にお問い合わせください。