素材のカットだけでなく箔押しも楽しめるようになったカッティングマシン「シルエットカメオ5」。
箔押しに興味はあるけど、実際どんな仕上がりになるの?箔押し用のデータってどうやって作るの?と気になりますよね。
ユーロポートデザイン担当の私は、カッティングマシンで箔押しをするにあたってデータ作成や仕上がりに関していくつか疑問が浮かびました。今回はそんな疑問を徹底検証!スムーズに箔押しデータが作れるように、疑問点をひとつずつ解消していきましょう!
目次
ヒートペンによる箔押しの疑問点
まずはカメオ5による箔押しについて、疑問に思った点を挙げてみます。
- 疑問① どのくらい細い線まで箔押しできる?
- 疑問② 文字や図形は線になる?塗りつぶしになる?
- 疑問③ 塗りつぶしの仕方はどんな感じ?
- 疑問④ 箔押しにどれくらい時間がかかる?
それでは1つずつ検証していきましょう!
箔押しの手順は、下記のコンテンツをご確認ください。
⇒「箔押し加工も自作できる!カメオ5・キュリオ2を徹底検証」コンテンツページへ
疑問① どのくらい細い線まで箔押しできる?
ヒートペンはペン先が1mmと2.5mmの2種類ございます。厚紙に2種類の太さで箔押ししてみると、どちらも約1mmの太さになりました。ペン先2.5mmの方が若干太いかな?くらいの結果です。
ペン先は球体になっており、測ってみたところこの球体の直径が1mmと2.5mmでした。
そのため、球がどこまで素材に触れるかで仕上がりの太さが変わります。柔らかい素材ほど、2.5mmのペン先の太さが活きるのではないでしょうか。
静電マットを使用して硬めのトレーシングペーパーに箔押ししたところ、素材に球体の先端しか触れなかったためか約0.5mmの細さで箔押しできました。
今回は0.5mmほどの細さまでできましたが、素材に左右されるので基本的には1mmの細さまで可能、と考えておくのが良さそうです。
細かいデザインにはペン先1mmを、太めの線や塗りつぶしには2.5mmを使うのがおすすめです。
疑問② 文字や図形は線になる?塗りつぶしになる?
データはカットデータと同じく、無料の専用ソフト「シルエットスタジオ」で作成します。
テキストツールで文字を入力してみます。
通常だとこの赤い線がカットラインになりますね。
文字を選択した状態で、特殊ツールパネルでヒートペンを選択します。
初期設定では「効果なし」が選択されています。まずはこの設定で出力してみます。
送信タブをクリックし、ツール2を選択します。
今回は下記の設定で行いました。
- カット圧:1
- カット速度:0.5
- パス:1
- 詳細な設定方法はシルエットジャパン公式HPよりマニュアルをご確認ください。
【ツール2が上手く反応しないときは】
「メディア設定に互換性がありません」と表示されている際は、カット=ツール1が反応しています。
(データが赤く縁取られている状態)
ヒートペンはツール2を使用するので、データが青く縁取られた状態が正しいです。
データが赤く縁取られてしまっている場合は、データをクリックしてツール2の「ホイル」もしくは「ホイルエッジ」を手動で選択することで正しく認識されます。
出力すると、文字を縁取るように箔押しができました。(ペン先2.5mm使用)
こちらは約20秒で完了しました。文字や図形を入力した場合、初期設定では線状の箔押しになることが分かりました。
疑問③ 塗りつぶしの仕方はどんな感じ?
疑問②で設定した「効果なし」以外を選択すると、文字や図形の塗りつぶしができます。
4種類の設定があるので、全種類試してみましょう。
それぞれ塗りつぶしの仕方が変わりました。かかった時間は画像の通りです。
線の浮き出しパターンは一番シンプルな塗りつぶしで、綺麗な仕上がりでした。
同軸、螺旋パターンは円状に広がっていくイメージなので、文字の塗りつぶしにはあまり向いていないかもしれません。丸いデザインなどに対してはうまく使えそうですね。
クロスパッチのみ、縦方向・横方向と2回動く必要があるので他と比べて2倍の時間がかかりました。
クロスパッチを使う際は密度を粗めにするなど工夫すると良さそうです。
形だけでなく間隔や角度の詳細設定もできるようなので、そちらも調整してみます。
初期設定の間隔「0.40mm」と最小値「0.10mm」、最大値「2.50mm」を比較してみました。(ペン先2.5mm使用)
最小値の0.10mmでは動いたラインがわからないくらい面状の箔押しができましたが、細かすぎてなのか一部箔が削れたような仕上がりになってしまいました。また、かなりの時間がかかります。最大値の2.50mmは50秒という速さで完了しましたが、間隔が広すぎてボーダー模様のようになりました。
初期設定の0.40mmで十分綺麗に見えますが、塗りつぶしの細かさとかかる時間の兼ね合いでお好みの数値を見つけるのが良いと思います。
疑問④ 箔押しにどれくらい時間がかかる?
ペン先1mmと2.5mmそれぞれで、EUROの文字(横幅:5cm)を塗りつぶしてみました。
設定は「線の浮き出しパターン」「間隔0.40mm」「角度10.0mm」です。
角度を付けることで、また違った印象の箔押しになりました!
ペン先の太さが変わるだけでマシン自体の動きは同じなので、かかった時間は同じでした。
ただ、ペン先2.5mmではもう少し間隔を広げても綺麗に塗りつぶしできそうなので、間隔を広げることで時間短縮が可能かと思います。アルファベットの名入れくらいなら4~5分程度で楽しめそうですね。
箔押しを楽しむならカメオ5&ヒートペン!
さて、箔押しに関する疑問は解消されたでしょうか?どんな素材に箔押しできるのか、箔の密着具合、設定値などは「箔押しできる?できない?」の検証記事で確認していますので、ぜひ参考にしてください。
箔押しデータの作成方法は通常のカットデータとほぼ変わらず、塗りつぶしの密度や角度もかなり詳細に設定できるので、誰でも箔押しを楽しめそうだと感じました。ちなみに今回検証と合わせて、こんなグッズも作成してみました。
Europortの文字が若干潰れてしまいましたが、箔押し自体はきれいにできました!
文字潰れは、素材を硬めの画用紙にする、文字のサイズをもう少し大きくするなどで対応できそうです。
家庭で気軽に箔押しが楽しめるカッティングマシン「シルエットカメオ5」で、ハイクオリティなものづくりを楽しみましょう!