カッティングマシンといえばステッカーやアイロンシートなどをカットできる便利な機械ですが、シルエットジャパンから登場したカメオシリーズの最新機種「カメオ5」ではカット性能が向上し、より正確で繊細なカットが可能になりました!
さらに新ツール「ヒートペン」を使用すれば箔押し加工が可能に!家庭用のカッティングマシンを箔押し機として活用し、誰でも簡単にデータ通りで高クオリティな箔押しに仕上げることができます。
「箔押し」とは箔を熱と圧力によって紙などに転写する加工方法です。高級感や特別感を演出することができ、名刺や記念品などに利用されます。
そこで今回は、この新機能が搭載されたカメオ5とキュリオ2を使用して「どんな素材に箔押しできるのか?」検証していきます。
目次
今回使用した機種・ツール
検証素材
今回は以下の素材を使用して検証してみました。
- 厚紙
- 本革
- 合皮
- 木材
- サテンリボン
- アクリル
- ポリカーボネート(スマホケース)
- 熱可塑性ポリウレタン(スマホケース)
- ポリプロピレン(クリアファイル)
箔押しの手順(カメオ5)
それでは検証結果の説明を行う前にカメオ5での箔押し加工の方法を簡単にご紹介します。
-
①ヒートペンをカメオ5にセットして、本体の電源を入れる。
-
②箔押ししたい部分にマスキングテープで箔を当てる。
-
③素材を台紙に配置し、カメオにセット
-
④シルエットスタジオで作成したデータをカメオに送信
-
⑤自動的に箔押しが始まり…完成!
箔押しの検証結果
加工する素材やその厚さなどによって適切な設定が異なります。
この検証結果はあくまで今回使用した素材についてのものですので、1つの目安としてご参考にしてください。
厚紙
問題なく箔押しできた。 箔押ししやすい素材できれいな仕上がり。 |
使用機種 | カメオ5 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | 1mm | ||
使用台紙 | スタンダード台紙 | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 1 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
リボン
問題なく箔押しできた。 生地が薄く、文字が台紙の粘着部分に写ってしまった。静電マットを使用した方がよさそう。 |
使用機種 | カメオ5 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | ‐ | ||
使用台紙 | スタンダード台紙 | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 1 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
クリアファイル(ポリプロピレン)
使用機種 | カメオ5 | ||
使用機種 | キュリオ2 | ||
カメオ5の場合、クリアファイルの上面が固定されないため、かすれが発生してしまった。キュリオ2を使用すると問題なく箔押しできた。 | 箔押し結果 | 〇 | |
素材厚み | 1mm | ||
使用台紙 | 静電マット | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 4 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
本革
素材が厚くカメオ5では搬送されなかったため、キュリオ2を使用。 問題なく箔押しできた。箔の表面がきれいな仕上がり。 |
使用機種 | キュリオ2 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | 2.5mm | ||
使用台紙 | 静電マット | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 3 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
合皮
素材が厚くカメオ5では搬送されなかったため、キュリオ2を使用。 素材が柔らかいため、線が太く丸みを帯びた。 |
使用機種 | キュリオ2 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | 4mm | ||
使用台紙 | 静電マット | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 4 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
木材
素材が厚いためキュリオ2を使用。 箔押しできたが、木目の影響で線の太さに少しばらつきが生じる。 |
使用機種 | キュリオ2 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | 6mm | ||
使用台紙 | 静電マット | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 4 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
スマートフォンケース(ポリカーボネート[マットタイプ])
素材が厚いためキュリオ2を使用。 問題なく箔押しできた。 |
使用機種 | キュリオ2 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | 9mm | ||
使用台紙 | 静電マット | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 4 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
スマートフォンケース(ポリカーボネート[グロスタイプ])
素材が厚いためキュリオ2を使用。 問題なく箔押しできたが、箔の付き方がやや弱い。 |
使用機種 | キュリオ2 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | 9.5mm | ||
使用台紙 | 静電マット | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 4 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
スマートフォンケース(熱可塑性ポリウレタン)
素材が厚いためキュリオ2を使用。 問題なく箔押しできたが、線の始点と終点が少し目立つ。 |
使用機種 | キュリオ2 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | 9mm | ||
使用台紙 | 静電マット | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 4 | 速度 | 0.5 |
パス | 1 | 加速度 | 1 |
アクリル
素材が厚いためキュリオ2を使用。 問題なく箔押しできた。カット圧は見た目と剥がれにくさの観点から「3」がベストだった。 |
使用機種 | キュリオ2 | |
箔押し結果 | 〇 | ||
素材厚み | 5mm | ||
使用台紙 | 静電マット | ||
カット設定 | |||
カット圧 | 3 | 速度 | 0.5 |
速度 | 1 | 加速度 | 1 |
実際に箔押ししてみて
ヒートペンを使用してさまざまな素材に箔押ししてきましたが、薄い素材の場合はカメオ5、厚い素材の場合はキュリオ2を使用すれば、ほとんどの素材に問題なく行うことができました。
特に紙やレザーはきれいに仕上がりました。紙は名刺や招待状、ポストカード、レザーはブックカバーや財布の名入れなどに最適なので、個人でオリジナルグッズを作成したり、付加価値を与えることに活用できそうです。
アクリルでも問題なく箔押しできたため、アクリルスタンドやキーホルダーに加工することで豪華なデザインのアクリルグッズを作成することも可能です。
また、今回検証を行ってみて、柔らかい素材ほど線が太くなりやすい傾向があると感じました。細かいデザインを箔押ししたい場合には、硬めの素材を選んだ方が良さそうです。
自宅での箔押し加工を可能にするヒートペンは、趣味の可能性を広げてくれる画期的なツールです。
素材にあった設定を見つけることが必要ですが、こちらの記事を参考に箔押し加工を施したグッズの自作にぜひ挑戦してみてください!