「ヒートプレス機」や「熱処理機」などとも呼ばれることがあるアイロンプレス機は、言ってみれば「仕上げの要」。どんなに高品質なプリンターや転写素材を使っても、プレスが不十分だと剥がれや色ムラの原因になってしまいます。
逆に、適切な機械と設定でプレスすれば、プリントのクオリティと耐久性がグッと上がります。
これからプリントビジネスを始める方や家庭用アイロンからのステップアップをしたい方にとって、「どのプレス機を選ぶか」は非常に重要なポイントです。
本記事では、ユーロポートオリジナルプレス機の中でも特におすすめの「ヘラクレスシリーズ」「ネプチューンシリーズ」に焦点をあてて機能の違いをご紹介。それぞれの特長と違いをわかりやすく解説し、用途に合わせた選び方のヒントをお届けします!
目次
プリントビジネスで欠かせない「アイロンプレス機」とは?
アイロンプレス機は、熱と圧力を一定時間かけ、シートやインクを生地にしっかり定着させる機械です。
Tシャツやトートバッグ、パーカーやユニフォームなど布製品へのプリントには必須となるため、ご自身のビジネスに合った機種を選ぶことが重要となります。
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アイロンプレス機の使用例
- カッティングシートをTシャツなどの生地に熱圧着
- 昇華プリントのインクを生地に熱転写
- シルクプリントやガーメントプリントのインクの乾燥・定着
業務用アイロンプレス機 見るべき違い
アイロンプレス機は、高温の熱と一定の圧力を生地と転写素材にかけることで、プリントをしっかりと定着させる仕組みになっています。たとえばアイロンシートの場合、接着面の糊が熱で溶け、圧力によって布地に密着します。
DTFでは、ホットメルトパウダーが熱で溶けて繊維に食い込み、長く剥がれにくいプリントになります。
この「温度」「圧力」「時間」の3要素のバランスが、仕上がりの品質を大きく左右します。
手動機・自動機の違い
ユーロポートのアイロンプレス機には大きく分けて手動機と自動機の2タイプがあり、それぞれ操作方法や作業効率に違いがあります。
手動機
上ゴテのレバーを手で上下させて開閉するタイプのプレス機です。構造がシンプルで価格も抑えられます。
シームレスなねじ式の調整ダイヤルでダイヤルを回すことで圧力を調整できます。自動機に比べ軽量です。
プレス作業のたびにやや力が必要です。プレス完了時はブザーが鳴るので、手動で上ゴテを上げる必要があります。
自動機
開閉を自動で行うタイプのプレス機です。開閉時に力がいらないので、量産や長時間の連続作業に最適です。
圧力は6段階のダイヤル式で設定を変更できます。
設定した圧力を確認することができるため、作業者によるクオリティムラを防ぐことができます。またプレス時に両手でボタンを押す必要があるため手を挟む心配がなく、緊急スイッチも搭載しているため安全性が高いです。
温度調整機能の違い
アナログ式
ダイヤルを回して温度設定をします。設定温度に達するとランプが消えることでお知らせします。
今、熱版の温度をリアルタイムで確認することはできません。
デジタル式
ボタンで簡単に温度設定ができ、さらに今、熱版が何度かがリアルタイムで表示されます。
温度の低下による圧着ミスを防ぎ、高クオリティな圧着を可能にします。
加圧構造の違い
あおり構造
奥から手前の順で圧がかかることや、奥側に圧力が集中しやすい点があり、圧力ムラが発生する可能性があります。
水平構造
加圧の直前に上ゴテが水平になることで、機械前後の圧力ムラを極限まで軽減します。
主要機種の紹介&特長比較:手動機「ヘラクレスシリーズ」
ヘラクレスシリーズは約1,000台の販売実績を誇るユーロポートオリジナルの大ヒットアイロンプレス機です。
今までの手動機では難しかった圧力調整機能を搭載し、素材に合わせた圧力設定が可能です。
商品名 |
ヘラクレスプラス |
ヘラクレスアドバンス |
---|---|---|
種類 | 手動機 | |
プレス範囲 | 380×420mm | |
温度調整 | アナログ式 | デジタル式 |
圧力調整 | シームレスな調整ダイヤル | |
加圧構造 | あおり構造 | 水平構造 |
ヘラクレスシリーズのメリット・デメリット
メリット
低価格なため初期費用を抑えられる
機能がシンプルで使いやすい
デメリット
手動機のため都度レバーの上げ下ろしが必要
シームレスな調整ダイヤルのため細かな圧力調整ができず、作業者によって設定に差が出る可能性がある
こんな人におすすめ
初期費用を抑えたい
機械が苦手で多くの機能は使いこなせない
生産数がそれほど多くない
作業者が決まっている
その他のヘラクレスシリーズ
プラス・アドバンスともに、プレス範囲が500×400mmと大きいヘラクレスワイドプラス・ヘラクレスワイドアドバンスもございます。
主要2機種の紹介&特長比較:自動機「ネプチューン」
ネプチューンシリーズはユーロポートのオリジナル自動アイロンプレス機です。
段階式の圧力調整ダイヤル搭載で、ブレの無い設定が可能です。
商品名 |
ネプチューンプラス |
ネプチューンアドバンス |
---|---|---|
種類 | 自動機 | |
プレス範囲 | 380×420mm | |
温度調整 | アナログ式 | デジタル式 |
圧力調整 | 段階的な調整ダイヤル | |
加圧構造 | あおり構造 | 水平構造 |
ネプチューンシリーズのメリット・デメリット
メリット
都度レバーの上げ下げが必要ない
安全性が高い
圧力調整のブレが無い
デメリット
手動機より価格が上がる
こんな人におすすめ
開閉は自動でやってほしい
生産量が多い
設定のブレを抑えてクオリティを保ちたい
作業者が複数人いる
その他のネプチューンシリーズ
プラス・アドバンスともに、プレス範囲が500×400mmと大きいネプチューンワイドプラス・ネプチューンワイドアドバンス、620×420mmとさらに大きいネプチューンスーパーワイドプラス・ネプチューンスーパーワイドアドバンスもございます。
結局どの機種を選べばいいの?フローチャート
まとめ:あなたに合った1台を選ぼう
業務用アイロンプレス機は、作業効率や仕上がりの品質に直結する重要な設備です。
とはいえ、機能が豊富なモデルほど価格も上がるため、導入コストとのバランスを取ることがポイントになります。
たとえば、「少量生産」「コスト重視」なら、手動タイプのヘラクレスシリーズでも十分に活躍します。一方で、「1日に数十~数百枚を処理」「スタッフの作業負担を減らしたい」といったニーズがあるなら、自動機のネプチューンシリーズのほうが結果的に生産性も利益率も高まる可能性があります。
高機能な機種ほど長期的には効率や耐久性で採算が取れることも多いので、「現在の業務内容」と「今後の展開」を見据えて、最適な1台を選びましょう!
本記事で紹介した機種は全てユーロポート総合ECサイトにてご購入が可能です。(※1)
電源はAC100V、家庭用コンセントで使用できるため、届いてすぐにご使用可能です。(※2)
- 1:1階軒先渡しになりますので、運搬のため複数人でお受け取りください。
- 2:スーパーワイドサイズのみ、200Vの電気工事が必要となります。家庭用コンセントでご使用できませんのでご注意ください。