- 今回導入した機械 -
今回はローランドDGのDTFプリンター「BN-20D」を導入していただいた、奈良工業高等専門学校の須田准教授と学生の鈴木さんにインタビューを行いました。導入の経緯から補助金活用のお話まで幅広くお話を伺いました。
- 奈良工業高等専門学校様とは -
奈良工業高等専門学校は、奈良県大和郡山市にある国立高等専門学校です。
5年間の在学期間で、より専門的で高度な知識・技術が学べるカレッジとなっています。機械・電気・情報・化学など、将来につながる学びを提供されています。
~学生たちの創造力と技術力に迫る~
DTFプリンター導入のきっかけを教えてください
今回、奈良工業高等専門学校が導入したのは2023年に新発売された小型DTFプリンター「BN-20D」です。この機械を知ったきっかけは、以前にミシンの展示会に参加した際、この 新しいDTFプリンターの提案を受けたことでした。
このDTFプリンターは、はじめて知る機械でしたが、刺繍機では表現することが難しいような細かいプリントデザインを実現できる点が魅力的だと感じ、導入を決めました。
「BN-20D」の機種選定の理由を教えてください
「BN-20D」を選んだ決め手は、20インチのコンパクトなサイズ感で、手軽にオリジナルTシャツができるという点と、スタッフのお墨付きという点でした。
Tシャツや普段学校の授業で着ているような作業着の背中全面にプリントできることなどを期待して、いざ導入。現在もオリジナルウェアプリントの出力に大きく貢献しています。
他にもウェアプリントの機械はいろいろあるとは思いますが、「まずエントリーはこれで」と納得してこの機種の導入を決めました。
起業家工房とは
現在、「BN-20D」は学校内の「起業家工房」で活用されています。 起業家工房とは、学生が起業マインドを養い、ものづくりの楽しみを創出する場として設けられています。
ここには刺繍ミシンや3Dプリンター、ウォータージェットカッターなど様々な機械が揃っており、学生が実際に手を動かしながら機械操作や、機械の仕組み、この機械でビジネスをするにはどんなビジネスモデルが良いかなどを起業家マインドを養いながら実践的に学んでいます。
BN-20Dを学生主体で現場で活用
「BN-20D」を活用している学生は、起業家工房のスタッフを含め約10名です。
現在は週に1回程度の使用で、授業時間外の活動が中心です。
デザイン系の学校ではないため授業内での利用は少ないですが、課外活動として積極的に利用されています。
「奈良工業高等専門学校は本科と専攻科を合わせて最長7年間ですが、いまでは、在学2年生の学生さんが最もBN-20Dを使いこなしています。具体的な用途としては、BN-20Dで起業家工房のチームTシャツづくりや、作業着へQRコードのような細かいデザインの出力をしています。
起業家工房の今後の展望
現時点では、部活動やコンテスト出場チームなどの学生コミュニティが、チームウェアやゼッケンの作成など、自ら必要とするものの企画開発試作にチャレンジし、それに対応する形で起業家工房が活用されています。
他にも様々なデジタル機器があり、将来的にはアイデア発想やコスト計算、原価償却の概念を学ぶなど、起業家精神の実践的教育の場として機能していくと思われます。
BN-20Dの操作面についての感想を教えてください
ウェアプリントの機械が初めてという事もあり、操作面に関しては家庭用プリンターに比べて工程が多く、覚えるのに時間がかかると感じました。
特に僕らのデザインソフトはillustratoではなく、3DCADソフト「3DEXPERIENCE(3Dエクスペリエンス)」や「SOLIDWORKS(ソリッドワークス)」、加えて3DCGソフト「Blender(ブレンダー)」や、「Inkscape(インクスケープ)」などを使っているのでその点が特に難しく感じています。
しかし、導入時にユーロポートの講習スタッフからわかりやすいレクチャーを受けることができたので、日々の実習を通じて機械操作も上達しています。
このように学生が主体的に操作方法を学び、次の世代へと伝えていくことで徐々に操作に慣れていっています。
今後の取り組みの展望を教えてください
奈良工業高等専門学校の起業家工房における「BN-20D」の導入は、学生にとって幅広い技術を学ぶ貴重な機会となっています。伝統的な技術と最新の技術を併せ持つ環境で、学生はものづくりの楽しさを実感しながら、起業マインドを養っています。
今後の起業家工房の展開とともに、「BN-20D」がどのように活用されていくのか非常に楽しみです。