こんにちは、ユーロポートです。皆さまDTFプリンターというものをご存じですか?
DTFプリントとはダイレクトトゥプリント(Direce To Film)の略でフィルムに直接印刷して転写シートを作る印刷手法です。
綿・ポリエステル・ナイロンなどさまざまな素材に1つのフィルムとパウダーで対応ができるということは有名ですが、本当にそんなにいろいろな素材に対応しているの?伸縮する生地や不織布などの変わり種は?そんな疑問から今回はどんな素材に対応しているのか少しチャレンジングな素材にも印刷してみたので、その様子をお届けいたします。
目次
DTF転写フィルムの作成方法とは
まずDTFプリンターでフィルムに印刷をしていきます。カラーインクを印字し、次にホワイトカラーのインクをプリントします。次に、シェイカーでホットメルトパウダーを塗布します。ホットメルトパウダーとは、糊の役割となるパウダーです。
次に、フィルム全体に熱を加え、塗布したパウダーを溶かします。
最後に、フィルムを裁断し、圧着したい素材に圧着すると完成です。
検証素材
綿 / ナイロン / ニット生地 / デニム生地 / ナチュラル素材のコットン生地 / 麻(ジュートバック) / 不織布
検証で使用した機械&資材
DTFプリンター
DTFサプライ品
圧着設定
温度 | 155度 |
---|---|
圧力 | 400g/cm²ナイロンは100g/cm² |
圧着時間 | 15秒 |
剥がすタイミング | 少し冷めてから |
仕上げプレス | 5秒 |
検証結果
では早速、いろいろなものに印刷→圧着を行っていきます。
こちらのコンテンツでは、圧着までの検証です。耐久性や、洗濯堅牢度などは行っておりませんので、あくまで参考資料としてご活用ください。
1.リサイクルコットンバック (難易度★☆☆)
素材:コットン・ポリエステル
綿生地への圧着はとても簡単でした。綿生地であればポロシャツや、スウェット・エプロン・帽子や靴下・クッションカバーなど様々なものに圧着ができます。
今回は最近流行りの「リサイクルコットン」を使用し、環境に配慮したエコバックです。環境に配慮できるSDGsにも貢献できます。
2.ナイロンポーチ (難易度★★★)
素材:ナイロン
100均一で購入してきました、ナイロンのポーチです。ほかにも傘や、エコバック、リュックなど、ぱっとみとてもきれいについているのですが、よく見ると糊のはみだしがあります。ナイロンは糊が生地に染み込んでいかないので、どうしても少しだけ糊がでてしまうようです。
そのため、細かいデザインはあまりおすすめできません。
また、ナイロン生地はナイロンの種類によっても圧着強度が変わります。
プレスの圧力などを調整するなど工夫が必要な素材です。
ニット生地 (難易度★☆☆)
素材:ニット
ドキドキしましたが、きれいに圧着ができました。 伸縮に対する追従性も十分に発揮されています。このように伸縮するニット素材にもプリントができました。 フィルムとパウダーによって仕上がりの手触りが異なるDTFプリント。
なかには、硬くて溶剤のようにぱりぱりなる中華製のものもあるので、DTFプリンターを選ぶときは、必ずサンプルを圧着してその手触りを確かめる必要があります。なかでもユーロポートの資材は薄く柔らかい手触りが特長です。
デニム生地 (難易度★☆☆)
素材:デニム
こちらもしっかり圧着ができました。デニム生地への印刷は、意外と色の沈みが多かったりするので、ガーメントプリンターなどではプリントが難しかったりします。
それに対してDTFであれば、他の素材はもちろんデニム生地にもきれいなフルカラー発色で細かいデザインもプリントできるとなると、大きなメリットだと思います。DTFプリントが人気になる理由がとてもよくわかります。
オーガニックコットン(マルシェタイプ) (難易度★☆☆)
素材:コットン
オーガニック素材のナチュラルバッグです。こちらも問題なく印刷ができました。
持ち手まで継ぎ目がないタイプなので、デザイン次第では持ち手までプリントすることでお洒落なバッグが作成できそうです。
ジュートバッグ (難易度★★☆)
素材:麻
ジュートとは、麻の一種で、通気性や吸収性に優れています。植物から作られた繊維で燃やしても有害物質を発生せず、土中に埋めてもバクテリアによって分解され土に還るため、環境にも優しいSDGsに配慮した素材です。
普段使いにも、エコバッグ、通勤通学用にも万能に使えますので、屋外イベントや購入特典ノベルティとしても大活躍します。
ジュートは、網目が大きく細かい印字が圧着の時にとれてしまいました。 細かすぎないデザインなら問題なくプリントが出来そうです。 圧着自体はとてもスムーズでした。素敵な素材なのでいろいろな場面で活用できそうです。
また、バッグ自体洗濯することがほとんどないので、洗濯で剥がれる事例なども少なく長く愛用できそうです。
不織布 (難易度★★☆)
素材:不織布
学会や会社説明会・展示会・イベント・ノベルティなどで活躍する不織布。
こちらもDTFプリントができないと思っていましたが、やってみると案外問題なくプリントができました。しかし不織布は熱に弱いので、圧着条件などによってはうまくできない場合もあります。ご留意ください。
基本はシルクプリントなどで1カラーの企業名などが多いですが、DTFができる今、企業ロゴのカラーが特殊な場合や、もっと低コストでお洒落な不織布のプリントができて目を引くデザインに出来そうです。
また、シルクプリントは500枚以上の大ロットの作成などが多いですが、DTFなら10枚~など受注できるので、作成の最小ロットハードルが下がれば下がるほど作りたい需要がグッと高まりそうです。
まとめ
いかがでしたか?今回はDTFプリントでプリントできる、いろいろな素材を検証してみました。
DTFは綿とポリエステルとナイロンが1つの資材でできるだけでも十分に幅広い素材に対応していると思いますが、それ以上に、木やジュートバック、ニット生地、不織布など想像以上に対応できるものが多く、DTFプリントがより魅力的にみえました。
基本的には、ホットメルトパウダーが溶けて糊が染み込む繊維があればプリントは可能です。できないものはガラスやポリプロピレン・瓶や缶などはつるつるしているので難しい素材となります。
今回は、いろいろな素材への検証を行って参りましたが、全ての素材への圧着を保証するものではございません。必ずお客様自身でお試しいただいたり、弊社の「サンプル作成依頼」を通してできる素材の可否をご確認ください。
今後も気になる素材があれば追加で試していきます!
最後まで見ていただき誠にありがとうございました。
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今回使用した機械・資材
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