今までの粘着台紙とは違い、静電気で素材を固定する「静電テーブル・静電マット」。
カス取りの楽さと消耗品の交換頻度の少なさで、カッティングマシンユーザーに喜ばれています。
しかし購入前に気になるのが「自分が使いたい素材は静電テーブル・静電マットで固定できるか?」ですよね。
そこで今回は、様々な素材を使って静電気で固定ができるのか、検証してまいります!
今回使用した機種「キュリオ2」とは?
キュリオ2は、カット機能の精密さが特長のフラットベッドタイプのカッティングマシンです。
素材が前後に動く構造ではなく、刃を取り付けているヘッド自体が前後左右に動く構造になっています。そのためカットにズレが生じにくく、より繊細な加工が行えます。模型やパッケージの作成用途などにも最適です。
キュリオ2は、静電テーブルが標準装備となっております。
カメオ5やポートレート4は、オプションとしてそれぞれ専用の静電マットがございますので、取り付けることで使用できます。
検証素材
今回は以下の素材を使用して検証してみました。
- トレーシングペーパー(グロス)
- トレーシングペーパー(マット)
- コピー用紙
- シール用紙(ダイカット)
- シール用紙(ハーフカット)
- 厚紙
- ステッカーシート(アイロンシート)
- 布
- 革
検証手順
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①キュリオ2の電源を入れ、素材をセット
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②静電吸着ボタンを押す
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③素材とテーブル間の空気を抜く
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④吸着されたか確認。吸着できた場合は、花びらのデータ5つが問題なくカットできるか検証。
静電テーブル・静電マットについて詳しく知りたい方へ
商品詳細や使い方について、下記の記事にてご紹介しております。
こちらも併せてご確認ください。
静電テーブル検証結果
この検証結果はあくまで今回使用した素材についてのものです。
1つの目安としてご参考にしてください。
トレーシングペーパー(グロス)
素材の厚さ
0.05mm
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問題なく静電吸着、カットできました。
薄い素材ですが、2枚以上重ねてみたところ素材同士がつるつる滑ってしまい静電吸着できませんでした。1枚のカットが確実です。
トレーシングペーパー(マット)
素材の厚さ
0.05mm
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静電吸着後も手で多少動かせるくらいの固定具合でした。
カットは、最後の1データのカット中に素材が動いてしまい、一部うまく切れませんでした。
カットする位置やデータの種類によっては問題なく使用できそうです。トレーシングペーパー(グロス)に比べて、素材に凹凸があることで、吸着が弱かったと予測します。
コピー用紙
素材の厚さ
0.1mm
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問題なく静電吸着、カットできました。
色画用紙
素材の厚さ
0.2mm
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問題なく静電吸着、カットできました。
シール用紙(ダイカット)
素材の厚さ
0.25mm
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問題なく静電吸着、カットできました。
今回は検証のため白紙でおこなっていますが、通常は印刷したシール用紙をダイカットすることでフレークシールが作れます
シール用紙(ハーフカット)
素材の厚さ
0.07mm(シール部分)
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問題なく静電吸着、カットできました。
今回は検証のため白紙でおこなっていますが、通常は印刷したシール用紙をハーフカットすることでシールが作れます
厚紙
素材の厚さ
0.45mm
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厚みがあり固い素材のため難しいと予測していましたが、問題なく静電吸着、カットできました。
カメオ5・ポートレート4の静電マットでは、厚みのメーカー保証は「0.2mmまで」のためご注意ください
ステッカーシート(アイロンシートも同様)
素材の厚さ
0.23mm
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素材がカールしているため、うまく静電吸着しませんでした。
布
素材の厚さ
0.15mm
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素材自体は薄いですが、生地の凹凸があるためか静電吸着できませんでした。
革
素材の厚さ
0.7mm
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素材がカールしている、厚みがある、凹凸があるため静電吸着できませんでした。
静電テーブル・静電マットは紙素材との相性が良い!
今回静電吸着、カットができたのは下記6種類の素材という結果になりました。
キュリオ2の静電テーブルを使用してみて、改めて紙素材との相性が良いことがわかりました。
静電マット自体が今までの粘着マットでは「粘着が強すぎてくっつきすぎたり」「カールしたりしてしまう」ような紙素材のためにできたマットなので、納得の結果です。
特に粘着マットでは難しかったトレーシングペーパーやお花紙といった薄い素材の固定には活躍しそうです。
反対に、もともと粘着マットで使用できていたステッカーシートや布、革などは、厚みやカール、凹凸があるため静電マットでは固定しきれませんでした。これらの素材はがっちり固定する必要があるため、引き続き粘着マットをご利用ください。