こんにちは、ユーロポートの田川です。ウェアプリントの革新的な製法として注目を浴びている「DTFプリント」をご存じですか?
DTFプリントは、フィルムにインクを印刷し、ホットメルトパウダーをかけ熱転写することでデザインをプリントする方法です。
利点は対応素材が多岐に渡り、カストリや製版が必要ないため、小ロットから大量生産まで対応可能な点です。
一般的にDTFでプリントしたウェアを販売しますが、今回は「フィルムにデータを印刷したものを販売する」フィルムだけをバラ売りするビジネスをご提案します。
DTFフィルムのバラ売りならフィルムを裁断したり、ウェアに圧着する手間が要りません。
在庫を持たずに手軽に商品化ができるため、DTF活用の幅がさらに広がります。
今回は一連の流れやモデルをご紹介いたします。
まず、私がこのコンテンツに取り組むにあたり、気になった点は2つです。
- フィルムはいつまで保管可能なのか
- お客様が家庭用アイロンで圧着できるのか
上記の2点にも合わせて回答してまいります。
それでは、DTFフィルムだけをバラ売りするビジネス事例を紹介いたします。
フィルムバラ売り販売のメリット
- ウェアへ圧着する必要がないので、手離れが良く過剰在庫にならない
- 補充も印刷するのみなので1時間程度で簡単にできる
- 商材がフィルムなので場所をとらない
- デザインのサイズに応じて価格を設定することができる
- デザインテーマを短期間で定期的に変えられる (個展など)
- お客様自身が貼る場所や素材カラーを選択可能でカスタマイズの楽しみを提供できる
上記のことから、お店側にも、お客様にもメリットのある施策となります。
次に、DTFプリントシステムでのフィルム転写の方法をみていきましょう。
印刷したいデザインの取り込み工程
今回は、ミマキエンジニアリングのDTFプリンター「TxF150-75」を使います。
ミマキのRIPソフト「RasterLink®」を開き、aiデータを呼び出し、面付していきます。
RasterLink®は白版が自動で生成されるので、とても便利な機種となります。
こちらで白版の生成が完了しました。
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データの準備ができましたら、次は「FUNC3」ボタンを押して印刷スタートです。
DTFプリンタ―「TxF150-75 DTF」印刷工程
まずはカラー印刷を行い、その上に白版の印刷をしていきます。
先ほどの「RasterLink®」で印刷順序も設定済みのため、この工程以降フィルムができる巻き取り工程まですべて全自動です。
偶に様子を見る必要はありますが、基本的には他の作業をすることができます。
このような手離れの良さがDTFプリントの魅力のひとつです。カラー印刷と同時に白印刷も行われます。
印刷されたフィルムは、裏側から見るとこのようになります。
シェイカー「DSPS-6010ae」ホットメルトパウダー塗布工程
次はシェイカーでインクが乾かないうちにホットメルトパウダーを塗布します。
こちらも全自動で塗布され、余分なパウダーはシェイクされてはたき落とされ、均一なパウダー塗布を行います。
下記画像の囲み部分がパウダーを塗布する場所です。
舞い散り防止でパウダーがスムーズに落ちる構造を採用しています。
こちらが上部からみたパウダー機構です。
少量落ちる仕組みを採用しているので、パウダーが舞うことも少なく、且つダマになったりせず均等にムラなくパウダーを塗布することができます。
パウダーが塗布されると、見てわかる粒状感があります。
シェイカー「DSPS-6010ae」でヒーティング工程
次に、全自動のヒーター部分でパウダーを溶かしていきます。
カスケードシェイカーは必要な時のみ熱をかける仕組みのため、温めすぎてフィルムが痛むのを軽減します。
シェイカー「DSPS-6010ae」巻き取り工程
ヒーティングが終わると自動で巻き取りを行って行きます。
ハサミを使ってフィルムの裁断
一般的なハサミを使いフィルムの裁断を行います。
デザインが見切れないようにおおよそのサイズでカットしていきます。
家庭用アイロンでフィルムの圧着方法はできるのか
今回は、フィルムのサイズによって値付けを行いました。
このように事例を見せておくことで、お客様もより完成のデザインが想像できるので完成品は作ることをおすすめします。
お客様がフィルムのみ購入してご自宅で作成するために「作り方のリーフレット」もあると便利です。
DTFフィルムを家庭用アイロンでTシャツに圧着!
最後に、実際にお客様が実施する工程のアイロンで圧着をしていきましょう。
家庭用アイロンでもフィルムの圧着は問題なくできました!
今回は、小さめのフィルムを圧着してみました。
実際に業務用の熱プレス機で圧着する場合は15~20秒程度で圧着ができるのですが、家庭用だと圧力も自身でかけなけなければならず、熱板の範囲も限られているので少し時間がかかる点に注意が必要です。
少量であれば、お客様も楽しんで作成してくださるでしょう。
圧着素材によってはうまくつかないことがございます。
その点は注意書きを記載しておきましょう。
様々なカラーと素材、位置にプリント可能なため、自由にトータルデザインが行える点がとても魅力的に映ります。
是非フィルムだけをバラ売りするビジネスもDTFプリントでトライしてみてください。
転写フィルムはどのくらいの期間使えるのか
印刷済み転写フィルムがどのくらいの期間使えるかという事ですが、弊社のフィルムとパウダーの場合、1か月程度は持ちます。
しかし、保管環境に起因することが多いため、湿気が少ないところやフィルムの裏面に汚れが付きにくい環境に置くなど場所によってはフィルムの有効使用期間が異なるのでご自身で試験をしつつ様子をみていただければと思います。
最後に
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DTFフィルムばら売りビジネスは、時間もお金のコストも削減しながら、お客様に体験も与えられるナイス商材となること間違いなし。無地のプリント素材も販売すると、利益額もグッと上がります。
ウェアだけでなく、ポーチやバッグなど相性の良い素材で、定期的にデザインを変えて、手軽に話題性のあるビジネスを展開してみてはいかがでしょうか。
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