綿やポリエステルなどの布地に直接印刷できる「ガーメントプリンター」。本記事では、「Tシャツプリンター」とも呼ばれるガーメントプリンターの選び方をご紹介します。
- ・自社でウェアプリントを内製したい(外注からの切り替え)
- ・これまでの事業に加え、新しい事業の柱として導入をしたい
- ・店舗やイベント等での顧客サービス、集客で活用したい
…などなど、ガーメントプリンターの導入目的は様々ですが、最も重視したいのは「採算が取れるか」ではないでしょうか。
今回は、初心者でも扱いやすい操作性と高品質な仕上がりが人気のエプソン社の3機種を比較し、それぞれの導入費用等のコスト試算や用途別のおすすめ機種をご紹介します。
人気ガーメントプリンターの特長
エントリーにおすすめの小型ガーメントプリンター「SC-F1050」から、スタンダードモデル「SC-F2250」、さらに高生産をお求めのプロ仕様「SC-F3050」の3機種の特長と仕上がりについてご紹介します。
SC-F1050
2024年に発売されたばかりの小型のガーメントプリンターです。
A4サイズまでの印刷に対応
…Tシャツやトートバッグなどに印刷可能できます。
小型なので置き場所に困りません
…壁に付けて設置することができます。店舗など限られたスペースにも置いていただけます。
DTF印刷※に標準対応
…デザインや印刷できる素材の幅が広がります。
DTF印刷…専用のシートに印刷したものを転写する印刷方法です。ガーメントプリンターで行うDTF印刷については下記の記事でご紹介しています。
印刷の仕上がり:直接印刷の場合
生地馴染みが良く、Tシャツの肌触りを活かすことができます。また、細い線やグラデーションも綺麗にプリントできています。
印刷の仕上がり:DTF印刷の場合
カラーの下に白地を印刷するので、パキっとした仕上がりになります。
SC-F2250
簡単・きれい・安心の3拍子がそろったガーメントプリンターの新定番。どなたでも使いやすく安定した「SC-F2150」の後継機種です。
A3サイズまでの印刷に対応
…Tシャツやスウェットの袖部分、バックプリントなどインパクトのあるデザインなど幅広い印刷が可能です。
細線や小さな文字もきれいにプリント
…高解像度データの入力に対応しています。従来品からさらに高い品質で仕上がります。
DTF印刷に標準対応
…DTF印刷を活用すれば、黒や赤などの濃色生地やポリエステル生地に対して、前処理加工不要で印刷が可能です。生産性を向上させます。
印刷の仕上がり:直接印刷の場合
綿素材のTシャツの柔らかさが活きた仕上がりになっています。写真データ(招き猫)のグラデーションも綺麗に仕上がっています。
ポリエステル素材の布地に直接印刷しているので、通気性を損ないません。
印刷の仕上がり:DTF印刷の場合
袖など直接印刷では位置合わせの難しい場所へも簡単にプリントできます。
ゴールドフィルムを使用すればインクジェットでは表現の難しい泊転写のようなデザインも可能です。
SC-F3050
高速、高耐久を両立したプロ仕様のガーメントプリンターです。
大型プリントヘッド搭載で高速プリント
…カラーインク、ホワイトインクそれぞれ専用の大型インクジェットヘッドを2個搭載。
SC-F2250と比較して約2.5倍以上のスピードで印刷可能です。A3 ホワイトインクモード時
大容量インクサーバーで安定した稼働
…高速・大量プリントに対応した大容量のインクパックを収納できるサーバーを搭載。
1,500mlのインクパックを収納できるので、インク交換頻度を下げ安定した稼働が可能です。
生産設備として安心の高耐久
…SC-F3050のプリントヘッドの動作を支えるため、高耐久の専用ガイドを搭載。
プリンターの駆動には高い耐久性を持つ産業用モーターを採用しています。
ガーメントプリンターの導入試算表
機械の導入にあたり、本体の価格だけではなく保守やガーメントプリントに必要となるプレス機、DTF資材についても確認する必要があります。
ユーロポートで販売している資材や機材をもとにして導入コストを算出しました。
1…設置作業を実施するには、搬入作業が終了している必要があります。設置作業には、ソフトリッパー、市販アプリケーションソフト、追加プリンターフォントのインストールは含みません。
離島・山間地に関しましては別途料金が必要となります。
2…2024年11月現在での算出となります。ご使用いただく資材によって価格が異なります。
リース導入した場合の参考価格
SC-F1050 | 月々13,100円(税込)~ ×60ヶ月 |
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SC-F2250 | 月々34,000円(税込)~ ×60ヶ月 |
SC-F3050 | お問い合わせください |
2024年11月時点での本体価格を基準とした算出となります。
ガーメントプリンターを導入し、ウェアプリントの内製化をご検討されている方は、導入費用や生産枚数をご確認いただき、ご自身のビジネスモデルに合った機種をお選びください。
また、ものづくり補助金や事業再構築補助金など、導入費用を一部が補助される制度がございます。
ユーロポートは補助金やリースでの機械導入実績も豊富です。是非お気軽にご相談ください
用途別 おすすめのTシャツプリンター
Tシャツやスウェットなどウェアの販売がメインなら「SC-F2250」
ガーメントプリンターの導入が初めてかつ、衣類へのプリントがメイン事業であれば「SC-F2250」がおすすめです。
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最大406mm×508mmまでの面積に印刷が可能で、インパクトのあるバックプリントや、Lサイズ以上の大きめのTシャツへも印刷できます。
またDTF印刷に標準対応しており、以前まで必要であった面倒な前処理なしで黒など濃色生地やポリエステル生地などにプリントすることができます。
誰でも使いやすい操作性なので、導入後の稼働もスムーズです。
スモールスタートでTシャツやグッズビジネスを始めたいなら「SC-F1050」
設置スペースが限られている場合や、店頭でのイベント活用などでは「SC-F1050」をおすすめします。
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「SC-F2250」よりも一回り小さいコンパクトさでありながら、プリントビジネスに必要な機能を十分に搭載しています。
機械上部が透明ですので、プリントしている様子をご確認いただけます。さらに、売り場を魅せる仕掛けとしてもご活用いただけます。
ひと月あたりの印刷枚数が250枚以下(8~9枚/日)の方におすすめです。
Tシャツだけじゃない!ガーメントプリンターの活用事例
ガーメントプリンターはTシャツプリンターとも呼ばれていますが、実はトートバッグや帽子、ポーチなど衣類以外へのプリントも可能です。
また、DTF印刷という新しい印刷方法を併用することで、従来のガーメントプリンターでは難しかったポケットや袖等へのプリントも簡単にできます。 ガーメントプリンターの仕上がりや活用方法をこちらの記事で詳しくご紹介しています。
まとめ
市場規模がこの10年で倍以上になると言われているオンデマンドプリント業界。
イベント時の一時的な活用だけでなく、アニメや漫画、音楽、スポーツ等幅広いジャンルで個性豊かなTシャツが生まれています。
今回ご紹介したガーメントプリンターは、Tシャツをはじめとした様々な衣類への印刷の第一線で活用されている機械です。
これからウェアプリントビジネスを始めたいという方はもちろん、既にお持ちの機械からの買い替えや増設をご検討中の方まで、予算や導入後の用途に応じてお選びください。
今回紹介した機械
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